ドップラー法
よみ方
どっぷらーほう
英 語
Doppler spectroscopy
説 明
太陽系外惑星の検出方法の一つで、最も古い伝統的な方法。ドップラー分光法、視線速度法などとも言う。惑星を持つ恒星は、惑星の重力を受け惑星との共通重心の周りを公転する。惑星の軌道面が視線方向に対して垂直(軌道傾斜角が0度)でない限り、恒星の微小な公転運動が視線方向の運動としてドップラー効果でとらえられる。恒星からの光のドップラー偏移を通してこの視線方向の運動を検出する方法がドップラー分光法である。
たとえば太陽と木星の系の場合、太陽の公転速度は振幅で周期的に変化し、これにより可視光で太陽を太陽系外から観測した場合、約
の波長のずれとなって検出される。ドップラー法では、中心の恒星の質量が既知ならば惑星の惑星の質量の目安が得られる。しかし、この方法では惑星の軌道傾斜角が決まらないため惑星の質量は下限値しか求まらない。惑星の大きさを推定できるトランジット法(軌道傾斜角がほぼ90度であることが分かっている)と組み合わせることで、惑星の質量と体積が推定できるので、惑星の密度が計算でき、ガス惑星か岩石惑星か区別することが可能になる。ドップラー法には、中心の恒星に近い重い惑星ほど検出しやすいというバイアスがある。
1995年にマイヨール(M. Mayor)とケロー(D. Queloz)は、この方法により初めての太陽系外惑星をペガスス座51番星の周りに発見した。この業績により二人は2019年度ノーベル物理学賞を受賞した。ガス吸収フィルター、ヨードセルも参照。
2020年03月11日更新