嫦娥計画
よみ方
じょうがけいかく
英 語
Chang'e program
説 明
中国(中華人民共和国)が行っている一連の月探査計画。嫦娥(英語ではChang'e)とは中国の神話に登場する月に住む女性の名称である。嫦娥1号は、日本の「かぐや探査機」の1ヶ月後の2007年10月に打ち上げられ、200 km高度の極軌道から月全面の観測を行った。新しい観測機器としては、表面のレゴリスの厚さなどを調べるマイクロ波サウンダーがある。2009年3月1日に運用終了。嫦娥2号は1号のバックアップ機として同時期に開発が進められた。2010年10月に打ち上げられ、月周回の楕円軌道を取り、虹の入り江地域を高度20kmから撮像している。その後、2011年6月に月周回軌道を離脱して、太陽=地球のラグランジュ点(L2)に到達。しばらくL2に滞在したのち、2012年12月13日に小惑星 (4179) トータティスにフライバイを行い、高分解能の画像を取得した。
嫦娥3号は、月面への軟着陸とローバーによる探査を成功させた。2013年12月2日に打ち上げられ、12月14日に雨の海に着陸し、翌日にローバー玉兎号を月面に展開した。着陸船は放射性同位体熱電気転換器 (RTG) を電力源として長期間観測を行える一方、ローバーは太陽電池で駆動され、月面の撮像などを行った。何度か極低温となる夜間を耐え、約半年の間、観測を行った。そして、電波を中継する衛星「鵲橋」を地球=月系のラグランジュ点付近に展開させて、2019年1月3日、嫦娥4号は世界で初めて月の裏側に着陸した。「南極エイトケン盆地」内のフォンカルマン・クレーターへの軟着陸に成功し、さらにローバー玉兎2号を月面に展開した。
2020年04月07日更新
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