シュバルツシルト解
よみ方
しゅばるつしるとかい
英 語
Schwarzschild solution
説 明
1916年、ドイツの天文学者シュバルツシルト(K. Schwarzschild)によって求められたアインシュタイン方程式の球対称、かつ漸近的に平坦な厳密解。密度一定の内部解と真空の外部解がある。球対称な真空解はシュバルツシルトの外部解しかないことが、バーコフの定理として知られている。
シュバルツシルトが用いた座標系では、この時空の近傍の2事象間の4次元的な間隔の2乗(線素)は次のように表される。
$$ds^2=-\left( 1-\frac{2GM}{c^2r}\right) dt^2 +\left( 1-\frac{2GM}{c^2r
}\right)^{-1} dr^2 +r^2\left( d\theta^2 \\+\sin^2 \theta\, d\phi^2\right)$$
ここで M は質量、G は万有引力定数。r=2GM/c2 を満たす面を、電荷をもたない球対称ブラックホール(シュバルツシルトブラックホール)の事象の地平線といい、この面の内側に入ると必ず中心の特異点に落ち込み、光さえも外に逃げ出すことができない。
この座標系では、r=2GM/c2 で dr2 の係数が無限大になることから事象の地平面上で線素が定義できず、1920-30年代には「シュバルツシルト特異点」と呼ばれた。
しかしその後、地平面で発散しない座標系(クルスカル図を参照)が見つかり曲率が発散する真の特異点ではないことがわかった。r = 2GM/c2 をシュバルツシルト半径とも呼ぶ。
2023年05月18日更新
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