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質量ゆらぎ

 

よみ方

しつりょうゆらぎ

英 語

mass fluctuations

説 明

宇宙の大規模構造における質量ゆらぎとは、ある大きさの体積に含まれる質量が場所ごとにゆらいでいることを表す。ある固定した半径の球を宇宙の至るところに考え、その中に含まれる質量の分散を用いて定量化される。質量ゆらぎの分散とそのスケール依存性は、密度ゆらぎのパワースペクトルにより一意的に決まる。宇宙のハッブル半径は時々刻々と大きくなっていくが、各時刻でのハッブル半径に対応する質量ゆらぎはほぼ一定の値である。これはパワースペクトルがハリソン-ゼルドビッチ型に近いことを意味し、インフレーション理論ではこの性質が自然に導かれる(ハリソン-ゼルドビッチスペクトルを参照)。また、半径8h^{-1}\,{\rm Mpc}の球に対する質量ゆらぎの分散の平方根\sigma_8は、宇宙の密度ゆらぎの全体的な振幅を表すのによく用いられている。銀河の数密度のゆらぎが質量ゆらぎを表していると仮定すれば、\sigma_8はほぼ1になる。だが、宇宙の質量の大半はダークマターによって担われているため、銀河の数密度分布と質量の密度分布は必ずしも一致しない。観測的に得られる\sigma_8の値は0.8程度である。

2018年03月06日更新

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