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脱結合

 

よみ方

だつけつごう

英 語

説 明

初期宇宙の高温高密度時には、宇宙は完全電離したプラズマ状態にあり、光子は自由電子とトムソン散乱によって相互作用し、熱平衡状態にあり、まっすぐ飛ぶことができなかった。温度の低下とともに宇宙の主要元素である水素原子(陽子)が電子を束縛して中性化すると、光子はまっすぐ飛べるようになる。
電子と水素原子の電離平衡を単純に考えると、それが起こるのは水素原子のイオン化エネルギー13.6 eVに対応する温度15.8万度ということになるが、実際にそれが起こるのは3千度の頃である。これは、宇宙のバリオン-光子比が n_{\rm B}/n_\gamma\simeq 5\times 10^{-10} と、1に比べて圧倒的に小さいためである(再結合期を参照)。このように、宇宙がプラズマ状態から中性水素原子で満たされるようになることを、宇宙の晴れ上がり、あるいは水素原子と電子の再結合(ただし、結合が起こるのは宇宙の歴史上このときが初めてである)、ないしは脱結合(光子と物質が相互作用しなくなること)という。
同じように、ニュートリノと物質の脱結合も考えることができるが、これが起こったのは、弱い相互作用の反応率が宇宙膨張率よりも小さくなった、温度T=2\,{\rm MeV}の頃のことである。最終散乱面も参照。

2018年04月29日更新

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