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トランプラー

 

よみ方

とらんぷらー

英 語

Trumpler, Robert Julius

説 明

ロバート・トランプラー(Robert Julius Trumpler; 1886-1956)は、スイス系のアメリカ天文学者。チューリッヒ大学を卒業後ゲッチンゲン大学で学位を得て、1915年米国に移住した。リック天文台に入り、1939年からカリフォルニア大学教授。主要な研究分野は散開星団で、1925年には星団によって構成する星の種類が異なることを示し、星の進化の研究に重要な手掛りを与えた。散開星団の距離を、星の分布する広がりの直径(星間吸収の影響を受けない)から推定した場合と、メンバー星の分光視差星間吸収の影響を受ける)から推定した場合とで、系統的に後者の距離が大きくなることを示し、星間空間が透明ではなく、吸収を引き起こす星間物質が存在することを初めて観測的に実証した。
太平洋天文学会誌の追悼記事
https://articles.adsabs.harvard.edu//full/1957PASP...69..304W/0000304I001.html

 

2022年02月14日更新

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    ロバート・トランプラーの肖像画
    https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Julius_Trumpler
    原図は太平洋天文学会誌の追悼記事より。
    https://articles.adsabs.harvard.edu//full/1957PASP...69..304W/0000304I001.html
    * 銀河系内の100個の散開星団の距離を二種類の方法(直径と分光視差)から推定して比較し、星間空間が真空ではなく、星間吸収を引き起こす星間物質が存在することを初めて示したトランプラーの図。大きな/小さな記号は分光視差の精度が高い/低いデータ。星間吸収がなければ、データは傾き45°の直線の周りに分布することが期待されるが、実際には遠方に行くにつれ分光視差から推定した距離が大きくなる。これは、実際の距離にあるよりも星が暗く見えていることを示す。Trumpler 1930, PASP, 42, 214より。