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モートン波

 

よみ方

もーとんは

英 語

Moreton wave

説 明

H𝛂線による太陽観測において、波のような擾乱がフレア発生点から外側に向けて500-2500 km s-1の速度で伝播する現象。1960年にH𝛂線の高速カメラによってアメリカのモートン(G. E. Moreton)が発見した。この伝播する擾乱は、H𝛂吸収線の中心波長から0.5 Å 程度離れた波長位置ではっきり見えるため、擾乱位置で彩層が上下運動していることがわかる。内田豊は定量的なモデルにより、フレアによって発生した衝撃波(磁気流体ファーストモード衝撃波)が彩層の上方にあるコロナを伝わり、この衝撃波が彩層に突入したものが擾乱の正体であることをつきとめた。この衝撃波はコロナの上方に向けても伝播するため、このモデルはしばしば同時に観測されるII型バーストも説明する。ようこう衛星によるX線観測により、フレアの発生後にコロナ中を伝播する衝撃波が観測されたが、その性質は内田が予想したようにマッハ数1.2程度の弱い衝撃波であった。

2018年09月16日更新

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    *京都大学飛騨天文台で観測されたモートン波
    柴田一成「力学的擾乱(衝撃波)とコロナ質量放出」、シリーズ現代の天文学第10巻、桜井・小島・小杉・柴田編『太陽』 7.5節 図7.19(日本評論社)