高密度星
よみ方
こうみつどせい
英 語
high-density star
説 明
恒星は核融合などによる熱運動の圧力、もしくは放射の圧力によって自己重力を支える。したがって、絶対温度がゼロになると潰れてしまうことになる。ところが半整数のスピンを持つフェルミ粒子はパウリの排他原理により、絶対温度がゼロでも有限の運動量(最大値をフェルミ運動量という)をもつ。この運動量が圧力(縮退圧)を生む。このようなコアを持つ星を縮退星と呼び、高密度になるので高密度星、あるいはコンパクト星とも呼ぶ。
白色矮星や褐色矮星などは、電子による縮退圧で支えられる。これらより密度がさらに高い場合、フェルミ運動量も高くなる。電子のフェルミエネルギーが中性子と陽子の質量差に相当するエネルギーより大きくなると、電子は陽子に吸収されて中性子に変わる。中性子星はこのような中性子の縮退コアを持つ高密度星である。中性子星のコアの最深部では、クォークなどが縮退している可能性も考えられている。中性子星の質量には上限があり、それを超えると自己重力を支えられなくなり、重力崩壊してブラックホールになる。ブラックホールも高密度星と呼ばれることがある。
2022年03月03日更新
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