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楕円銀河

高

よみ方

英 語

説 明

星が楕円体状に分布している銀河絶対等級がおよそ-18等より暗い楕円銀河は矮小楕円銀河(矮小銀河参照)と呼ばれており、明るい楕円銀河とは別の種類に分類されている)。最も明るい部類の銀河であり、銀河団など銀河密度の高い環境に存在する傾向がある。銀河団の中心に存在する特に巨大な楕円銀河はcD銀河と呼ばれる。
星の分布は滑らかであり、表面輝度分布はほぼドゥ・ボークルール則で近似できる。渦巻銀河の渦巻腕のような顕著な構造は見られないが、詳細に観測すると、シェル構造のようなかすかな構造が見つかることがある。少数の例外を除き、楕円銀河には冷たいガスはほとんど存在せず、星生成活動は無視できるほど弱い。
楕円銀河を構成する星は、年齢が古く、その運動はランダム運動が卓越している。楕円銀河の色と絶対等級の間には、色-等級関係と呼ばれる強い相関がある。また、速度分散、表面輝度、半径の間には、基本平面と呼ばれるスケーリング則がある。多くの楕円銀河は、X線を放射する電離ガスを伴っており、その広がりは星の分布の数倍外側に達する。この電離ガスの温度と分布から、ガスを重力によってとどめておくのに必要な質量を見積もることができる。その質量が星とガスの質量の総和よりはるかに大きいことから、他の形態の銀河と同様、楕円銀河にも大量のダークマターが存在していることがわかる。多くの明るい楕円銀河の中心部には極めて重いブラックホールが存在していると考えられている。一部の楕円銀河には活動銀河核が見られる。
矮小楕円銀河は、表面輝度分布がドゥ・ボークルール則よりも指数法則に近い点や、暗くなるにつれて表面輝度も下がる点などにおいて通常の楕円銀河とは異なっており、別のタイプの銀河である。ハッブル分類コンパクト楕円銀河矮小銀河も参照。

2019年10月01日更新

関連画像

* ハッブル分類を表すハッブルの音叉図
(土居守「銀河の種類と形態分類」、シリーズ現代の天文学第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』第2版 1.1節、図1.1(日本評論社)
(原図はE. Hubble 1936, The Realm of the Nebulae (Yale University Press))