電子縮退
よみ方
でんししゅくたい
英 語
electron degeneracy
説 明
高密度の電離ガスにおいて、電子の運動エネルギー分布が、エネルギーの低い状態から許容される最も高い状態まですべて埋まった分布となっていること。量子力学の不確定性原理により、ある大きさのエネルギー(運動量)以下の運動の状態の数は単位体積あたり有限で、パウリの排他原理によりフェルミ粒子である電子は、2つ以上の粒子が同じ場所で同じ運動状態をもつことができない。赤色巨星中心核や白色矮星では電子が縮退した状態になり、この縮退圧より星の重力を支える。縮退圧は密度のみに依存し温度によらないため縮退状態にあるガスは高温になっても膨張して温度を下げることができず、核融合反応が暴走し、赤色巨星中心核でのヘリウムフラッシュや、チャンドラセカール限界質量を超えた白色矮星での炭素フラッシュを引き起こす。
2021年05月19日更新
この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。
受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。