スペクトルエネルギー分布
よみ方
すぺくとるえねるぎーぶんぷ
英 語
spectral energy distribution(SED)
説 明
スペクトルとほぼ同じ意味であるが、波長あるいは振動数(周波数)の関数としてグラフで表現される電磁波の強度分布に注目する場合に使われる用語。研究分野ではSEDと省略されることが多い。
多数の星からなる銀河の紫外-可視光-近赤外域のSEDからは、その銀河を構成する星の種類、すなわちその銀河の星生成史を推定できる。現在星生成活動が活発に行われている不規則銀河(SmやIm型)のSEDでは紫外線波長域の連続光の強度が強く、電離ガスからの輝線が見られる。一方、星生成活動が起きていたのはずいぶん昔で現在はほとんど星を作っていない楕円銀河(E型)のSEDでは、紫外域の連続光は弱く、4000Åブレイクがはっきりと見え、年齢の古い晩期型星からの放射が強くなり、赤から近赤外線波長域にかけての連続光が強くなる。4000Åブレイクの強さは、主要な星生成活動が止まってからの経過時間の指標となる。
可視光波長域だけでなく、電波から高エネルギーガンマ線まで広い波長域をカバーするSEDからは、その天体で起きているさまざまな物理現象を理解するための重要な手がかりが得られる。
2020年01月06日更新
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