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おとめ座W星型変光星

 

よみ方

おとめざだぶりゅーせいがたへんこうせい

英 語

W Virginis variable

説 明

脈動型変光星の一種で、種族 IIの天体。タイプIIセファイドともいう。HR図上では主系列から赤色巨星に向かう赤色巨星分枝にあたり、セファイドよりも主系列に近い。セファイドと同じように周期-光度関係を持つが、同じ変光周期のセファイドの1/4の明るさしかない。このため、M31で発見した、おとめ座W星型変光星をセファイドと見なしていたハッブル(E. Hubble)は、M31の距離を実際の半分程度しかないと見積もっていた。しかし、後にバーデ(W. Baade)が星には2つの種族があることを発見し、M31の距離が2倍程度遠い値に修正されたことで、多くの観測的矛盾が解消された。

2020年01月04日更新

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    脈動変光星のHR図上でのおおよその位置。破線で挟まれた領域がセファイド不安定帯である。
    神戸栄治「星の振動の観測」、シリーズ現代の天文学第7巻、野本・定金・佐藤編『恒星』 1.4節 図1.18(日本評論社)