超長基線電波干渉計
よみ方
ちょうちょうきせんでんぱかんしょうけい
英 語
very long baseline interferometer(VLBI)
説 明
電波干渉計のうち、100 kmを越えるような、地理的に遠く離れているアンテナ同士を結合して基線を構成するものをいう。結合型の電波干渉計では、1つの標準周波数源からの基準信号を使って素子アンテナで受信した信号を、常設の専用線によって伝送し実時間で相互相関を調べるのに対し、超長基線干渉計では各アンテナ設置場所で受信信号波形を記録し、記録を1ヶ所に集めた後に再生して相関器で相互相関を調べる。全素子アンテナに共通する標準周波数源を参照することができないので、各アンテナ局に水素メーザー原子時計など周波数安定度が十分に高い周波数基準を用意し、アンテナが受信する電場信号を時刻情報とともに媒体に記録することで、素子アンテナ間の可干渉性を維持する。媒体には永らく磁気テープが用いられていたが、近年では固定ディスクに記録するシステムも実用化されている。予め協定を結んだ電波望遠鏡を必要に応じて組織化して超長基線干渉計とすることが多いが、VERAやVLBAなどのように超長基線干渉計専用のアンテナ群もある。信号を記録する部分で、媒体へのデータ書き込み速度などの制限により、観測帯域幅が大きく制限されることが多い。これを乗り越えるために、高速光ファイバー網を用いて遠隔地同士を直接結合し、事実上、結合型電波望遠鏡にしてしまう試みもなされた。スペースVLBIも参照。
2018年03月10日更新
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