読み出し雑音
よみ方
よみだしざつおん
英 語
readout noise
説 明
積分型の検出器システムに固有の雑音(ノイズ)。積分型の検出器では、光子によって生成された電荷をコンデンサに蓄積し、その 蓄積前後の電圧変化を測定するが、電圧を読み出す際に検出器や電子回路に由来する電気的な雑音が避けられない。これを読み出し雑音といい、一般的には、雑音の大きさを電子数に換算した値を用いる。 読み出し雑音以外にも多くの種類の雑音があり、天体検出の信号対雑音比(S/N比) を決める雑音はすべての雑音を合わせたものとなる。 背景光や天体からの光子による電荷に対しては、入射光子数の平方根に相当するゆらぎが雑音となる(ショット雑音)。入射光子数が少ない高分散の分光観測や積分時間の短い観測の場合には、理論的に避けられないショット雑音に比べて読み出し雑音が無視できなくなることがある。このような場合には、読み出し雑音をできるだけ小さくする工夫が必要である。X線イメージインテンシファイア、フラットパネル検出器、X線テレビカメラ(サチコンなど)、イメージングプレートなどが代表的な積分型検出器である。雑音も参照。
2018年03月11日更新
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