写真乳剤
よみ方
しゃしんにゅうざい
英 語
photographic emulsion
説 明
感光材料であるハロゲン化銀(臭化銀AgBrやヨウ化銀AgIなど)の微小な結晶粒子をゼラチンの中に分散混入させたもの。感度を高める増感処理をした写真乳剤を支持体の表面に薄く塗ったものが写真材料となる。支持体がガラスのものを乾板、合成樹脂などのものをフィルム、紙のものを印画紙と呼ぶ。天文観測ではもっぱら写真乾板が使われた。ハロゲン化銀は約500 nmより長波長の光には感度がない。これより長い波長にも感度を持たせるためには、ハロゲン化銀に増感色素を付着させる。天体観測用にさまざまな写真乳剤が開発され1990年代まで広く使われた。最も広く使われたコダック社製の写真乳剤では、分光感度がO, J, G, D, E, F, N, Zのクラスに分類され、この順に感度の長波長端が赤い方まで伸びていた。この分光感度クラスとは別に乳剤粒子の細かさに相当する103a, IIa, IIIa, IVの分類記号があり、乳剤は103a-O, IIa-D, IIIa-J, IV-N のように二つを組み合わせて指定された。小文字のaはastronomicalを意味し、相反則不軌を改善した低照度用であることを示している。
2019年10月06日更新
この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。
受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。