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カイパー

 

よみ方

かいぱー

英 語

Kuiper, Gerard Peter

説 明

カイパー(Gerard Peter Kuiper;1905-73)はオランダ生まれのアメリカの天文学者。1933年にライデン大学で学位取得後アメリカに移住し、1936年からはヤーキス天文台に勤務、1950-52年の間ヤーキス・マクドナルド小惑星掃天観測を指導した。1960年にはアリゾナ大学に月惑星研究所を創設し、現代的な惑星科学を確立した。カイパー飛行機搭載天文台カイパーベルトにその名を残している。太陽系成因説では巨大惑星が最初にできたとする説を唱え、月面クレーターの成因に言及した。

主な業績は次の通り。土星のタイタンにメタンとアンモニアの大気を発見(1944)、火星を赤外分光器などで観測(1948)、天王星に衛星ミランダを発見(1948)、海王星に衛星ネレイドを発見(1949)、冥王星の自転周期6.4日を決定(1950)、火星の極冠は二酸化炭素ではなく水の氷と主張(1956)、月探査機レインジャー号の科学主任となり月面研究(1960年代)、赤外線観測の重要性を唱え、飛行機搭載タイプの天文台を提案・実行(1960〜1970年代)。

2024年02月11日更新

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    カイパー
    カイパー(1964年)
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