力学時
よみ方
りきがくじ
英 語
dynamical time
説 明
一般相対性理論によれば時間と座標はばらばらに扱うことはできず、座標系ごとに時刻を定義できる。太陽系準拠系における力学時は太陽系力学時(TDB)、地心準拠系における力学時は地球力学時(TDT)と呼ぶ。両者には1ミリ秒程度の周期的な差があるが、平均的な歩度(進み具合)は等しく、単位は国際単位系の1秒である。
太陽系力学時は惑星や準惑星、太陽系小天体の運動など、太陽を周回する運動の記述に、地球力学時は人工衛星など、地球を周回する運動を記述するのによく使われる。なお、地球力学時は地球時(TT)と実質的に同一である。
過去の資産がたくさんあるので力学時の使用は禁止されてはいないが、現在では座標時の使用が推奨されている。これは、太陽系準拠系と地心準拠系では時間の進み具合が異なるにもかかわらずどちらも国際単位系の1秒を基準としていることにより、両者の時間や長さのスケールが食い違い、天文定数が「定数」でなくなるなどの問題点があるからである。天文定数系も参照。
2019年07月02日更新
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