ドゥ・ボークルール分類
よみ方
どぅぼーくるーるぶんるい
英 語
de Vaucouleurs classification
説 明
銀河を見かけの形によって分類する形態分類の一つ。ドゥ・ボークルール(G. de Vaucouleurs)が提唱した。ハッブル分類をより詳細にしたもので、改訂ハッブル分類とも呼ばれる。渦巻銀河に対して、ハッブル分類のScの後ろにさらに晩期型のSdとSmを追加し、不規則銀河のI型をIm、II型をI0(アイゼロ)とした。早期型から晩期型への系列とは別の次元で、棒構造の多様性を表すために、SA(棒なし)、SAB(中間)、SB(棒あり)のタイプを導入し、また渦巻構造の多様性を表すためにr(リング)、rs(中間)、s(スパイラル)のサブタイプを導入した。
改訂ハッブル分類は右図(上)に示すようなサツマイモに似た分類立体で表現される。分類立体の中心軸がハッブル系列に対応し、左端の楕円銀河から右に向かってレンズ状銀河、渦巻銀河、不規則銀河と次第に晩期型が配置される。中心軸に垂直な断面には、棒構造と渦巻構造の多様性が展開される。ドゥ・ボークルールは、中心軸に沿った系列が銀河の主要な物理的性質を反映し、それに垂直な断面は微細な力学的多様性を表すと考え、中心軸に沿う系列に形態型指数 T を割り当て、形態を物理量のように定量的に扱えるようにした。分類型と形態型指数 T の対応関係は、ハッブル分類との対応も含めて下の表に示されている。
出典:土居守「銀河の種類と形態分類」、シリーズ現代日本の天文学第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』1.1節 1.1表(日本評論社)
2023年05月12日更新
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