天球図譜
よみ方
てんきゅうずふ
英 語
Atlas Coelestis
説 明
英国の初代王室天文官フラムスティードの観測データをもとに1729年に出版された星図。出版に関してニュートン、ハレーとフラムスティードの間に問題が起き、古いデータに基づく暫定版をニュートンとハレーがフラムスティードの同意を得ずに勝手に出版し、裁判に敗れてその暫定版は処分されるといういきさつがあった。正式版はフラムスティードの死後に夫人たちによって出版された。
望遠鏡による観測から作られたはじめての星図で、グリニッジ王立文台から観測できる26星座の図が掲載されている。1603年出版の星図『ウラノメトリア』ではそれまでの慣例に従って星座絵を背面から見た状態で描いていたが、『天球図譜』では正面から見た絵に描かれた。星座絵はイギリスの有名な歴史画はジェームズ・ソーンヒル(Sir James Thornhill)によって描かれており、ロンドンで出版された初版は、縦24インチ×横20インチ(60cm×51cm)という大版だった。その後1776年に、フランスのパリで16cm×21cmの縮小版となった第2版がフォータン(J. Fortin)によって出版された。ラカイユやメシエの観測した星雲、星団が加えられ、ルモニエの南天星座図が追加されるなどの改良や、いくつかのイラスト(特にアンドロメダ座、おとめ座、みずがめ座)には美術的なレタッチが加えられた。1781年にはドイツのベルリン版が、1795年にパリ版の改訂版が出ている。
2024年06月30日更新
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