銀河回転
よみ方
ぎんがかいてん
英 語
galactic rotation
説 明
渦巻銀河やレンズ状銀河の中心に対して円盤部(銀河円盤)が示す回転運動。軸対称を仮定すると、銀河回転は銀河中心からの距離の関数として示すことができる。これを銀河の回転曲線と呼び、渦巻銀河の運動学的特徴を表す重要な観測量の一つである。天の川銀河(銀河系)場合、太陽系周囲の典型的な恒星は、概ね、銀経90°、銀緯0°の方向に220 km s-1 で回転している(局所静止基準の運動)とされ、これが1つの基準となる。この数値が正しければ太陽系が天の川銀河の中心周りを1周するのに要する時間は約2.4億年となるが、新たな観測により1割程度短いという研究結果も増えてきている。また、天の川銀河では円盤部の天体も非円運動をしているとする観測結果も多く、「回転」という単純な言葉から受ける印象と現実は異なっている可能性がある。
内側ほど速く差動回転する銀河の渦巻模様は(ほどけ型でなく)巻き込み型なので、天球面上でS字型の渦巻銀河は天球面上で反時計回りし、Z字(逆S字)型の渦巻銀河は時計回りしている。このことから渦巻の向きがS字型かZ字型かを見るだけで自転角運動量ベクトルの視線方向成分の正負が判定できる。
2024年01月05日更新
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