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ウォルフ-ライエ星

 

よみ方

うぉるふらいえせい

英 語

Wolf-Rayet star

説 明

高温で高光度の恒星、HR図上でもっとも左上の領域を占める。1867年にウォルフ(C.J.E. Wolf)とライエ(G. Rayet)によって幅の広い輝線だらけのスペクトルを示す奇妙な星として発見された。大質量星のなかでも特に質量の大きなものが進化し、水素の豊富な外層を失った段階に相当すると考えられており、実際に特異な元素組成を示す。WN、WC、WO型に細分類され、WN型はヘリウムと窒素の輝線が強く、WC型はヘリウムと炭素の輝線が強い。WO型は酸素の輝線が強く、高電離の輝線が見られるが、他の特徴はWC型と同様である。質量放出の結果、CNOサイクルによる生成物が表面にみられるようになったものがWN型、さらに質量放出が進んでヘリウム燃焼層(燃焼を参照)が直接見られるようになったものがWC型あるいはWO型に対応すると考えられている。ウォルフ-ライエ星は進化の最後に重力崩壊するが、WN型、WC型となっているヘリウム星が超新星爆発を引き起こすとIb型超新星、ヘリウム層の大部分を失ったWO型が爆発すると、Ic型超新星になると予想される。約60%が連星系に属し、ウォルフ-ライエ星からの星風と伴星のO型星の星風の衝突によるとみられるX線の放射が顕著なものもある。ウォルフ-レイエ星、ウルフ-レイエ星、ウォルフ・ライエ星などと表記されることもある。高光度青色変光星も参照。

2023年01月16日更新

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    ウォルフ-ライエ星WR124。星風で拡がるガス雲はM1-67星雲。(クレジット:Hubble Legacy Archive, NASA, ESA)。
    https://apod.nasa.gov/apod/image/1406/wr124_hubbleschmidt_960.jpg
    * HR図上に見られるいろいろな星。輝線を示す星は灰色で、吸収線の強さに異常を示す星は白抜きで表示してある。
    岡崎敦男「HR図上のいろいろな星」、シリーズ現代の天文学第7巻、野本・定金・佐藤編『恒星』 1.8節 図1.38(日本評論社)