太陽ニュートリノ問題
よみ方
たいようにゅーとりのもんだい
英 語
solar neutrino problem
説 明
太陽中心部で起こる熱核反応に伴って生成する(電子型)ニュートリノの量の理論値と観測値とが合わないという問題。太陽からやって来るニュートリノは米国のデービスの実験や、日本のカミオカンデとスーパーカミオカンデなどで検出されたが、その量は標準太陽モデルに従って計算した理論値の3分の1から半分程度しかなく、大きな謎となった。標準太陽モデルが間違っている可能性も検討されたが、現在ではニュートリノ振動によって説明できると考えられている。ニュートリノ振動とは、ニュートリノがゼロでない質量をもつとそのフレーバー(電子型、ミュー型、タウ型)が時間とともに変わって行く現象である。初期のニュートリノ実験は主に電子型ニュートリノを検出していたために、電子型として生まれたニュートリノが地球へ到着する頃にミュー型やタウ型に変わってしまっていると、ニュートリノの量を少なくカウントしてしまうことになる。実際、カナダのサドベリーニュートリノ観測所で行った実験では、3つの型のニュートリノの総量は、標準太陽モデルが予言する電子型ニュートリノの量とほぼ一致することを確かめた。
2018年03月06日更新
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