自然幅
よみ方
しぜんはば
英 語
natural broadening
説 明
ガス粒子(原子・分子)がある励起状態から遷移して放射を出したり、逆に放射を吸収してより高い励起状態に遷移する際には、遷移前後のエネルギー差に対応する光子が出入りする。ところが、ガス粒子がある微視的状態に滞在する時間は有限のため、不確定性原理によりそのエネルギー値にはゆらぎが生じる。これに起因してスペクトル線に現れる周波数幅のことを自然幅あるいは減衰幅と呼ぶ。天体から発せられるスペクトル線の周波数幅は多くの場合、自然幅に比べドップラー幅や圧力幅の寄与の方が圧倒的に大きい。減衰輪郭も参照。
2020年06月16日更新
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