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マイケルソン

 

よみ方

まいけるそん

英 語

Michelson, Albert Abraham

説 明

アメリカの物理学者(1852-1931)。光速度の測定、干渉計による一連の高精度光学実験と物理学への寄与で、1907年にノーベル物理学賞受賞。これはアメリカが科学分野で受賞した最初である。ポーランドに生まれ、アメリカ海軍アカデミー卒業、海軍天文台員となりヨーロッパへ留学。 光速度の測定を、海軍大学時代の回転鏡使用の実験から、ウィルソン山天文台での基線5マイルの実験まで行った。1883年に 299,860 ± 30 km/sの光速度値を発表した。長さの基準がパリの国際度量衡局(BIPM)にあるメートル原器から光の波長に変わったのは、マイケルソンの干渉計が高精度を達成したことが一因である。
当時は、光を伝搬させる媒質としてエーテルが想定されていた。彼とモーリー(E.W. Morley)は共同で、干渉計を使って、地球の運動方向とそれに直交する方向とで光速度を高精度に測定し、差がないことを証明した(1887年、マイケルソン-モーリーの実験)。その結果、エーテルは存在しないこと、および、特殊相対性理論の基礎になったローレンツ変換が提案された。また、ローランド(H. Rowland)が行った、干渉による太陽分光吸収線の波長決定から求まった赤方偏移は、一般相対性理論に発展した。さらに、マイケルソンはピース(F.G. Pease)とともに、ウィルソン山天文台100インチ反射望遠鏡で2枚の鏡を用いてオリオン座の星べテルギウスの光を干渉させ、その直径を測った(1920)。

2022年12月20日更新

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