マーズグローバルサーベイヤー探査機
よみ方
まーずぐろーばるさーべいやーたんさき
英 語
Mars Global Surveyor
説 明
アメリカ航空宇宙局(NASA)が1996年に打ち上げた火星探査機。2006年11月まで観測を行った。高分解能カメラ、広角カメラ、レーザー高度計、赤外線放射分光計、磁力計などが搭載された。また、マーズローバ着陸機との電波を中継する役割も有していた。高分解能カメラは以前よりも1桁以上すぐれた最高解像度1.5mで表面を撮像して、さまざまな新しい地形を発見した。火星の中高緯度の急峻な斜面に、ガリーと呼ばれる幅数10-数100m、長さ数kmの溝地形を発見している。これには斜面に堆積した雪や二酸化炭素氷が融けて(蒸発して)斜面崩壊を誘発したと思われるもののほか、地下から塩分濃度の高い水が流出してできたものもあるとされている。
レーザー高度計による地形の観測から、北部は新しい低地、南半球から赤道域は古い高地という二分性が確認され、重力データから地殻厚さの変化とも対応していることが明らかになった。磁力計は南半球の高地に強い残留磁化があることを明らかにし、火星の過去に流体核の運動にともなうダイナモ作用が存在したことが確実になった。赤外線分光計は、火星大気の温度、圧力、ダストなどの変動を明らかにするとともに、表面に酸化鉄ヘマタイト(赤鉄鉱)の多い領域を発見した。この一つ、メリディアニ平原はマーズローバ着陸機オポチュニティの着陸地点となった。
2018年03月15日更新
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