磁気回転不安定性
よみ方
じきかいてんふあんていせい
英 語
magneto-rotational instability(MRI)
説 明
差動回転する磁化プラズマ中の不安定性であり、回転軸に対して微小変動を受けた内側と外側のプラズマの角運動量が、プラズマを貫く磁力線を介して交換されることにより成長する。この不安定性は、1959年にベリコフ(E.P. Velikov)、1961年にチャンドラセカール(S. Chandrasekhar)によって議論されていたが、1991年になってバルバス(S.A. Balbus)とホーリー(J.F. Hawley)が、回転重力系の中心天体に向かってガスが落下する際に形成される降着円盤の角運動量輸送を担う機構として重要であることを再発見した。バルバスとホーリーによる再発見以前は、ケプラー運動で回転するガスでは、流体の速度シアーによって不安定になり粘性が発生して角運動量を輸送するのではと考えられていたが、現在は、磁場さえあれば不安定になる磁気回転不安定性(MRI)が降着円盤形成の重要な要素と考えられるようになってきた。
2018年03月06日更新
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