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リオフィルター

 

よみ方

りおふぃるたー

英 語

Lyot filter

説 明

水晶や方解石などの複屈折結晶の性質を利用した狭帯域フィルターで、フランスのリオ(B. Lyot)が1930年代に開発した。偏光板-複屈折結晶-偏光板の基本要素を何段か組み合わせて構成される。結晶厚を1倍、2倍、4倍、8倍とした基本要素は、透過率が最大となる共通波長をもちながら透過率最大値をもつ波長間隔が1, 1/2, 1/4, 1/8というように厚さに反比例して狭くなり、これらを一つのフィルターとして直列につなげると、共通して透過率が最大となる波長だけを透過する狭帯域フィルターとなる。このフィルターを単色の狭帯域フィルターとして使うときには、このフィルターの前方部に特定の波長にあるピークだけを透過するような広帯域フィルターをおいて使用する波長を選択する。多くの偏光板を使用することから、他の狭帯域フィルターと比べて透過率は高くないが、広い視野にわたって透過波長を一定に保つことができるという特徴がある。このフィルターを製作する上で良質の方解石結晶の入手が難しいことが難点である。

2018年09月16日更新

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    *リオ・フィルターを基本要素4段で構成した場合の構成図(左)と周波数選択の原理の説明図(右)。
    花岡庸一郎「光学観測」、シリーズ現代の天文学第10巻、桜井・小島・小杉・柴田編『太陽』 4.1節 図4.5(日本評論社)