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ユリウス暦

 

よみ方

ゆりうすれき

英 語

Julian calendar

説 明

古代ローマの独裁官ユリウス・カエサル (J. Caesar)が紀元前46年に、それまで使われていたローマ暦を廃して新たに制定し、紀元前45年から採用した暦。太陽暦である。グレゴリオ暦が採用されるまで、1600年以上に渡ってローマとキリスト教世界で広く使われた。 平年を365日とし、4年ごとに366日のうるう(閏)年を置くという置閏法により、1年の平均の長さを (365×4+1)/4=365.25 日とした。紀元前8年に、皇帝アウグスツス(Augustus)が運用の誤りを正し小改訂を行った。各月の呼び名と日数の割り振り、2月を28日として、うるう年には2月29日を設けることなどグレゴリオ暦のルーツがここでできた。季節とのずれが1年で0.01日あり、1582年のグレゴリオ暦への改暦時点では、10日近くにもなっていた。

2023年09月15日更新

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    ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)の肖像
    https://en.wikipedia.org/wiki/Julius_Caesar
    各月の日数と名前。2月は平年は28日で、うるう年は29日。ユリウス暦はグレゴリオ暦の基になったもので、月の英語名称はユリウス暦に由来する。日本では古くから各月に和名がついていた。
    出典:縣 秀彦著、岡村定矩監修『ビジュアル天文学史』(緑書房)