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等時線

 

よみ方

とうじせん

英 語

isochrone

説 明

星団のように多数の恒星が同時に生まれた集団で、誕生後のある特定の時刻に、さまざまな質量の恒星がHR図上に存在する位置をつないだ線。質量の異なる星の進化の違いを反映する。等時曲線ともいう。誕生当初は零歳主系列に並んでいた星も、やがて質量の大きな星から次第に赤色巨星に進化し、HR図上で右側に移動する(主系列を離れる点を転向点と呼ぶ)。時間がたつとともに質量が小さな星が主系列から離れるので、転向点は主系列の暗い方に移動して行く。このことを利用して、転向点の星の質量から星々の誕生時期(星団の年齢)を推定できる。等時線は星の金属量にも依存する。

2022年05月31日更新

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    HR図上における理論的な等時線(等時曲線)。年齢は200万年、1億年、126億年に対応。金属量は太陽の0.35倍(紫)から5.6倍(灰色)まで。
    (Bressan et al. 2012, MNRAS 432, 3186より引用)
    球状星団M15の色-等級図。実線は等時線(等時曲線)。
    理科年表オフィシャルサイト徹底解説(丸善出版、国立天文台)
    ( Salaris et al. 1997, ApJ, 479, 665 より転載)
    https://www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/tenmon/tenmon_025.html