アイスキューブ実験
よみ方
あいすきゅーぶじっけん
英 語
IceCube Experiment
説 明
南極の氷の下に設置された高エネルギー宇宙ニュートリノ望遠鏡。氷の中でニュートリノが相互作用して作り出す荷電粒子から発せられる微弱なチェレンコフ光を、透明な耐圧容器に封じ込めた光センサー(光電子増倍管)で検出することにより、ニュートリノの到来方向やエネルギーの情報を得て、高エネルギーニュートリノ天文学を推進している。1 km3の巨大な検出体積を持ち、約100 GeVを超える高エネルギーのニュートリノを検出できる。
2006年から一部の運転を開始し、2010年に完成した。2013年に太陽系外からの初めての高エネルギー(約1 PeVの)ニュートリノ事象の検出を報告した。2017年に観測したIceCube-170922Aというニュートリノ事象は、ガンマ線を放射するブレーザーTXS0506+056の方向を示していた。これはブレーザーが高エネルギーニュートリノ放射源の一つであることを示唆する。2023年には銀河面からのニュートリノの検出を報告した。
高エネルギーニュートリノは、主に宇宙線が周囲の物質や放射と相互作用して生まれる。電荷を持つ宇宙線と違って星間磁場で曲げられずにまっすぐ放射源から飛んでくるので、宇宙線の起源を同定するのに適している。
ホームページ:https://icecube.wisc.edu/
2023年10月24日更新
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