重力収縮
よみ方
じゅうりょくしゅうしゅく
英 語
gravitational contraction
説 明
自己重力(自分自身の重力)のために天体が収縮すること。
緩やかに収縮が進行する場合は重力収縮、激しく収縮する場合は重力崩壊(gravitational collapse)という語が使われる傾向があるが、抗する力が内部に発生して自己重力とつりあう状態になるまでのプロセスを指す点ではどちらの語も同じである。物質がどんなに高密度・高温度になっても自己重力を支えきれない場合には天体は事象の地平線の中に崩壊してブラックホールになる(この場合のみを重力崩壊と呼ぶ流儀もある)。
宇宙の大規模構造のなかで銀河が形成される過程、分子雲内での原始星の誕生過程、恒星の進化の最終段階で超新星爆発なに到る過程などではすべて重力収縮が起きている。分子雲コアの中で自己重力が圧力勾配力や磁場の力を凌駕するようになると、重力収縮が始まり、星生成が始まると考えられる。恒星の進化においては、中心部分での熱核融合反応によるエネルギー発生率が小さくなったり、なくなったりしたときに重力収縮は起こる。大質量星の中心部での鉄のコアの光解離反応を伴う収縮も重力収縮の一つであり、超新星爆発(Ⅱ型超新星)の前段階で起こる重要な過程である。自己重力系も参照。
2022年01月31日更新
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