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フェニックス探査機

 

よみ方

ふぇにっくすたんさき

英 語

Phoenix Mars

説 明

2007年に打ち上げられ、火星の北極平原に着陸したアメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査機。アリゾナ大学月惑星研究所が開発の中心となった。マーズオデッセイ探査機の観測で氷の存在が期待できる場所に2008年5月25日着陸した。ロボットアームで周囲の土壌を掘削して、顕微鏡や化学分析装置により解析を行った。その中には、土壌を水に溶かしこみイオンを測定する湿式分析装置や加熱で発生するガスを分析する熱-発生気体分析装置がある。着陸船のカメラの画像と土壌分析により、水の氷の存在が確認された。そのほか、炭酸塩鉱物、過塩素酸などを土壌中に確認した。有機物の存在は確認されていない。電源が太陽電池のみであったため、日照が弱くなった11月2日に活動を終えた。

2018年03月13日更新

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    フェニックス探査機(NASA)
    ロボットアームにより掘削した孔(4日間の変化)。時間とともに白い斑点が消えていくことが確認され、水の氷であると考えられる。(NASA)