選択天域
よみ方
せんたくてんいき
英 語
Selected Area
説 明
カプタイン(J. Kapteyn)が1906年に、銀河系(天の川銀河)(当時は宇宙そのものと考えられていた)の形と大きさを決めることを目的として提唱した計画で示された、全天に分布する206個の天域。Selected Areaの頭文字の後に天域の番号を付けて、SA57、SA103などのように呼ばれる。各天域はほぼ1度四方で、赤緯15度間隔で緯度毎に赤経方向はほぼ等間隔で全天に分布していた。これに加えて、銀極方向など特別に重要な方向で46の天域が定められた。
カプタインは、この天域内にある一定の明るさより明るいすべての星の等級、色指数、固有運動、視線速度、およびスペクトル型を決定する国際共同観測を提案した。進行中のこの計画の観測データを基にカプタインは、1922年に「カプタイン宇宙」と呼ばれる宇宙モデルを作り上げた。国際天文学連合(IAU)においてもこの計画は重要と見なされ、1935年の第5回総会で、選択天域担当の委員会として第32委員会がIAUとして最初の計画進捗状況と将来展望の報告をしている。その後、銀河系の構造を担当する第33委員会の小委員会となり1970年の総会まで活動した。
2024年06月06日更新
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