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ホイップル

 

よみ方

ほいっぷる

英 語

Whipple, Fred Lawrence

説 明

ホイップル(Fred Lawrence Whipple;1906-2004)はアメリカの天文学者。アイオワ州レッド・オークに生まれ、1931年にカリフォルニア大学で天文学の学位を取得した。ハーバード大学天文台に入所し、流星の研究を行い彗星(ホイップル彗星(36P/Whipple)など6個)、小惑星セレスティアを発見した。1955年から1973年までスミソニアン天文台の所長を務め、人工衛星の光学的追跡観測事業を行ない、1957年にはソ連の世界初の人工衛星スプートニク1号の観測に成功している。
1947年に太陽系の起源論を発表、1949年にはエンケ彗星の観測から、彗星核には水、アンモニア、メタンなどの氷の混合物の中に、流星物質の粒が混じっているとする「汚れた雪玉モデル」を提唱した。これにより、雪玉からの水の蒸発によって彗星核の軌道が変化する「非重力効果」の謎も解決した。1983年王立天文学会ゴールドメダル、1986年ブルース・メダル受賞。
スミソニアン天文台が所有・運営する「ホプキンス山天文台」はホイップルに敬意を表し、1981年に「フレッド・ローレンス・ホイップル天文台」と名称変更されている。

 

参考:https://phys-astro.sonoma.edu/node/1489
https://web.archive.org/web/20040903011623/http://cfa-www.harvard.edu/press/pr0428.html

2025年01月08日更新

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