チベットASγ実験
よみ方
ちべっとえいえすがんまじっけん
英 語
Tibet AS-gamma experiment
説 明
日中共同で中国チベット自治区の羊八井 (ヤンパーチン) 宇宙線観測所 (東経90.5度、北緯30.1度、標高4,300 m) に建設された宇宙線観測装置。面積 0.5 m$^2$ の地表粒子検出器 597台を約65,000 m$^2$の範囲に設置した空気シャワーアレイと、地下2.4mに設置されミューオンを観測する有効面積3,400 m$^2$の水チェレンコフ検出器、および空気シャワー観測装置の中心付近に配置された空気シャワーコア観測装置YACからなる。
1993年に、月および太陽の方向からの宇宙線が欠損している(「影」ができている)ことを報告した。これは、装置の角度分解能が十分高いことを実験的に証明する結果であるとともに、地球の影は宇宙線が地球磁場の、太陽の影は太陽活動の影響を受けていることを示した。
2006年に、銀河宇宙線の到来方向の異方性の観測結果が、コンプトン-ゲッティング効果で説明できることを示した。
2019年に、かに星雲方向から約20個の100 TeVを超えるガンマ線を観測 したと報告した。これはかに星雲がペバトロンの候補であることを意味している。
2024年04月23日更新
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