天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

New

球面調和関数

 

よみ方

きゅうめんちょうわかんすう

英 語

spherical harmonics

説 明

特殊関数の一つで、ラプラスの演算子を3次元極座標 $(r,\theta,\phi)$ で表したときの角度部分の固有関数。一般に記号 $Y_l^m(\theta,\phi)$ で表される。(ラプラスの演算子はデカルト座標 $(x,y,z)$ なら

$$\partial^2/\partial x^2+\partial^2/\partial y^2+\partial^2/\partial z^2$$

で表されるものである。)
球面調和関数は

$$\left(\frac{1}{\sin\theta}\frac{\partial}{\partial\theta}\sin\theta\frac{\partial}{\partial\theta}+ \frac{1}{\sin^2\theta}\frac{\partial^2}{\partial\phi^2}\right)Y_l^m(\theta,\phi) =-l(l+1)Y_l^m(\theta,\phi) $$

を満たす。また $Y_l^m(\theta,\phi)$ はルジャンドルの陪関数$P_l^m$ を用いて

$$Y_l^m(\theta,\phi) =(-1)^{(m+|m|)}\sqrt{\frac{2l+1}{4\pi}\frac{(l-|m|)!}{(l+|m|)!}} \times P_l^{|m|}(\cos\theta)e^{im\phi} $$

と書けることも知られている。指数 $l$ は次数、$m$ は方位指数と呼ばれ、$Y_l^m(\theta,\phi)$ が1価関数になるためには $l$$m$ はともに整数である必要がある。球面調和関数は太陽の固有振動など、球対称な構造に関する、ラプラス演算子を含む微分方程式で記述される現象を扱う際に現れる。また、正規直交関数系をなすので、球面上のスカラー関数を展開する際にも使われる。

2023年04月18日更新

問い合わせ
問い合わせ

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    記事タイトル (必須)

    [text* title]

    記事URL (必須)

    [text* url]

    お名前 (必須)

    [text* your-name]

    メールアドレス (必須)

    題名

    [text your-subject]

    メッセージ本文

    このフォームはスパムを低減するために Akismet を使っています。 データの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます