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分光視差

高

よみ方

ぶんこうしさ

英 語

spectroscopic parallax

説 明

主系列星には真の明るさ(絶対等級)とスペクトル型(あるいは色指数)との間に密接な関係がある(HR図を参照)。この性質を利用し、スペクトル型あるいは色指数を観測することによって、星の真の明るさ(絶対等級 $M$)を推定し、それを観測された見かけの明るさ(見かけ等級 $m$ と比較することにより、

$$m-M=5\,{\rm log}_{10}\,r-5$$

の式から星までの距離 $r$ (pc)が求まる。この方法を分光視差法と呼ぶ。分光視差は $m-M$ のことであるが、これは一般には距離指数と呼ばれている。光度階級の概念を併用すれば、主系列星以外にもこの方法を適用できる。天文学においては通常の視差(異なる地点から見た物体の角度の違い)に加えて、天体の距離を知る手段となるものを広く視差と呼ぶ。

2023年04月27日更新

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    * 分光視差の原理の解説図。スペクトル型がK型の主系列星ならその絶対等級はほぼ+7等(±約1等)と推定できる。このHR図は、1913年にH.N. Russellが初めて公表した図から作成したもの。
    出典は、Russell 1914, 'Relations Between the Spectra and Other Characteristics of the Stars', Popular Astronomy, VOL. XXII, NOS. 5-6の原図)