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リュウグウ

小

よみ方

りゅうぐう

英 語

Ryugu

説 明

はやぶさ2探査機の詳細観測とサンプルリターンのターゲットになった小惑星。1999年に発見され1999 JU3の仮符号がつけられ、後に正式に登録されてリュウグウ(162173 Ryugu)と命名された。浦島太郎の伝説などから竜宮(龍宮)にちなんでこの名前になった。
リュウグウは地球接近小惑星アポログループに属する小惑星である。スペクトル型がC型の炭素質小惑星で、はやぶさ探査機のターゲットとなったS型の小惑星イトカワ(Itokawa)と比べるとより始原的な天体で、有機物や含水鉱物をより多く含んでいると考えられている。反射率が低く(アルベドで4.6%)、太陽系でも最も黒い天体の1つである。直径は約900 mで、はやぶさ2探査機による観測で、全体的にはほぼ球形だが、そろばん玉のような形をしていることがわかった。自転周期は約7.6時間、公転周期は約1.3年である。
2014年12月3日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)により打ち上げられたはやぶさ2探査機は、2018年6月27日にリュウグウに到達した。2018年9月21日にはミネルバ2というローバをリュウグウに向けて投下した。リュウグウ表面で移動中にミネルバ2が撮影した写真が翌22日に送られてきて、着地に成功したことが確認された。はやぶさ2本体は2019年2月22日にサンプル採集のための最初のタッチダウンに成功した。さらに4月5日にリュウグウ表面に直径約10 mのクレータを作り、7月11日には2回目のタッチダウンを行ってクレータ内部からサンプルを採取した。2019年12月にはやぶさ2はリュウグウを離れて地球帰還の途につき、ほぼ1年後の2020年12月に地球に帰還接近し、12月6日未明、サンプルが入ったカプセルを切り離し、カプセルはオーストラリアの砂漠で無事回収された。
はやぶさ2がリュウグウから持ち帰った約5.4グラムの砂や小石は、世界の研究機関に配布され分析が進んでいる。日米の研究チームの分析により、15種類以上のアミノ酸が検出されたことが2022年6月6日に報道された。スターダスト計画(NASA)により持ち帰られた彗星塵と隕石のいくつかからはアミノ酸が見つかっているが、初代のはやぶさが訪れた岩石質の小惑星「イトカワ」や月からはアミノ酸は見つかっていなかった。今回のリュウグウの物質の分析により、小惑星ではじめて生命の源となるアミノ酸の存在が確認されたことになる。
リュウグウとはやぶさ2探査機に関する最新のニュースは以下のサイトを参照。
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/

以下の動画に示す3Dデータについては日本プラネタリウム協議会の「リュウグウ3Dデータの公開について」を参照。
https://planetarium.jp/ryugu/


日本プラネタリウム協議会が製作したリュウグウの動画
(リュウグウ形状モデル+可視光ベースマップ+地名)
クレジット:JAXA/会津大/神戸大/東京大/高知大/立教大/名古屋大/千葉工大/明治大/産総研

https://www.youtube.com/embed/E7-cLerCAe8

2022年06月07日更新

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    関連画像

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    リュウグウの軌道。イトカワの軌道も描かれている。
    (クレジット: JAXA)
    はやぶさ2探査機によって22 kmの距離から撮影されたリュウグウ
    (クレジット:JAXA, 東京大学, 高知大学, 立教大学, 名古屋大学, 千葉工業大学, 明治大学, 会津大学, 産業技術総合研究所)
    2018年9月22日、11:44(日本時間)頃にRover-1Aが撮影。カラー画像。リュウグウ表面において移動中(ホップ中)に撮影されたもの。左側半分がリュウグウの表面。右側の白い部分は太陽光によるもの。(画像のクレジット:JAXA) http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20180922/
    タッチダウン直後にタッチダウン地点付近を撮影した画像。 広角の光学航法カメラ(ONC-W1)によって、機上時刻で2019年2月22日07:30頃(日本時間)に撮影された。 (画像クレジット:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研) http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20190225_TD1_W1image/