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粒子的地平面

 

よみ方

りゅうしてきちへいめん

英 語

particle horizon

説 明

宇宙開闢後ある時刻までに因果関係を持つことのできた距離の上限、すなわち光が届くことのできた距離を粒子的地平線という。通常のビッグバン宇宙論で想定されるような減速的膨張宇宙では、粒子的地平線は光速に時刻を掛けた程度の値を持つ。一方インフレーション宇宙論のように加速的膨張が起こると粒子的地平線は宇宙のスケール因子に比例して急激に増大する。粒子的地平線 $d_{\rm H}(t)$ はスケール因子 $a(t)$ の積分として、

$$d_{\rm H}(t)=a(t)\int_{t_i}^t\frac{c\, dt'}{a(t')}$$

という表式で与えられる。ただし、$c$光速度$t_i$ は時空の古典的な記述が可能になった初期時刻とする。宇宙の地平線も参照。

2023年05月10日更新

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