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光格子時計

 

よみ方

ひかりこうしどけい

英 語

optical lattice clock

説 明

複数本のレーザー光から作られる空間的な干渉縞(光格子)の中に、絶対零度近くまで冷却した多数のストロンチウム原子を閉じこめ、それらの原子が吸収あるいは放射する光の振動数を精密に測定して時刻の単位にする時計。時計に使う遷移に関わる二つのエネルギー準位で光シュタルク効果が打ち消し合うような周波数のレーザーを使うことがポイントである。セシウム原子を用いる現在の原子秒の実現精度であるフェムト秒(10-15 秒)よりも1000倍高い精度(10-18 秒)の実現を目指す。日本で開発された技術であり、次世代の時刻標準器の有望な候補である。1次周波数標準器も参照。

2023年04月19日更新

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    関連画像

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    東京大学香取秀俊教授が製作した光格子時計(2015年)
    https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/features/f_00063.html
    https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400022860.jpg
    光格子時計の概念図
    (出典:「私と科研費」光格子時計による超高精度・時間計測の実現 香取秀俊 2009年、vol.2
    http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/31_result/rikou/41_katori.html)