天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

New

ニュースター衛星

 

よみ方

にゅーすたーえいせい

英 語

NuSTAR satellite

説 明

(Nuclear Spectroscopic Telescope Array)
アメリカ航空宇宙局の小型衛星計画の11機目として、2012年6月13日にペガサスXLロケットによって打ち上げられ、2019年現在も観測を続けているX線天文学衛星。高度610-650 km、軌道傾斜角6度の軌道に投入された。

硬X線で撮像観測ができる点に特徴があるが、硬X線ではX線望遠鏡の反射鏡で全反射を起こす入射角度が小さくなるため、焦点距離を長くとる必要があり、この衛星では軌道上でマストを伸長させることにより10.15 mを実現した。

多層コーティングを施したWolter-I型の小角度散乱反射鏡を備え、焦点面には32×32ピクセルのテルル化亜鉛カドミウム(CdZnTe)半導体検出器を4個並べ、12分角の視野をカバーすることができる。また、3-78 keVの硬X線に対して58分角(HPD)/18分角(半値全幅)の角分解能と、6 keVにおいて0.4 keV ~ 60 keVにおいて0.9 keVのエネルギー分解能をもつ。

これまでに、棒渦巻銀河NGC 1365の中心にある巨大ブラックホール自転速度を測定し、また超新星カシオペアAが非対称に爆発したことを確認するなどの成果を上げている。

ホームページ:https://www.nustar.caltech.edu/

2019年06月08日更新

問い合わせ
問い合わせ

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    記事タイトル (必須)

    [text* title]

    記事URL (必須)

    [text* url]

    お名前 (必須)

    [text* your-name]

    メールアドレス (必須)

    題名

    [text your-subject]

    メッセージ本文

    このフォームはスパムを低減するために Akismet を使っています。 データの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    ニュースター衛星の想像図(マスト伸長後)。
    (https://www.nustar.caltech.edu/images)