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核種

 

よみ方

かくしゅ

英 語

nuclide

説 明

同位体の区別を含めて元素をより正確に原子と区別する概念。原子番号(陽子の数)と質量数(陽子と中性子の数の和)で表現される。核図表を用いればすべての核種を見やすい形に表せる。
現在知られている物質はすべて原子からできている。原子は原子核と電子から構成され、さらに原子核は陽子と中性子の集合体である。陽子と中性子は合わせて核子と呼ばれる。原子は、その原子核中にある陽子の数(原子番号)によって異なる元素に区別されるが、同じ元素(原子番号)であっても、中性子の数が異なるものが存在する。これは同位体と呼ばれる。同位体の中には安定なものと不安定なものがある。不安定な同位体は放射性同位体と呼ばれ、時間が経つにつれ、放射線を出して異なる原子核に変わる。たとえば、原子番号2のヘリウムには質量数4と質量数3の2つの安定な同位体がある。ヨウ素131はヨウ素の放射性同位体の一つである。放射性元素も参照。

2020年07月23日更新

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    *核図表。放射性同位体は、陽子数が同じで中性子数が異なるので、横軸に平行な位置にある。
    望月優子・佐藤勝彦「元素の起源」、シリーズ現代の天文学第1巻、岡村・池内・海部・佐藤・永原編『人類の住む宇宙』第2版 3章 図3.4 口絵6(日本評論社)