ナビエ-ストークス方程式
よみ方
なびえすとーくすほうていしき
英 語
Navier-Stokes equation
説 明
気体や液体といった流体のうち、粘性を持つ流体の運動を記述する方程式。運動状態にある流体中に面を考え、その面を通して面に接する方向に働く力(接線応力)を考えたとき、これが働かない流体は完全流体と呼ばれる。すなわち応力テンソル $p_{ij}$ は圧力 $p$ のみが $p_{ij}=-p\delta_{ij}$ のように働く。一方、接線応力 $p_{ij}\,_{(i\neq{j})}$ が働く場合、これを粘性流体と呼ぶ。特に、応力テンソルが歪み速度テンソル
$$
e_{ij}=\frac{1}{2}\left( \frac{\partial u_i}{\partial x_j}+\frac{\partial u_j}{\partial x_i}\right)$$
に線形の依存をする場合をニュートン流体と呼ぶ($u_i$ は流体の速度の $i$ 成分)。非圧縮の場合、速度 $\boldsymbol{u}$ の時間変化を記述する流体の運動方程式は
$$
\frac{\partial \boldsymbol{u}}{\partial t} + \boldsymbol{u} \cdot \nabla \boldsymbol{u} = - \frac{1}{\rho}\nabla p + \nu \Delta \boldsymbol{u}$$
のように書ける(ここで $\nu$ を運動粘性率と呼ぶ)。このような粘性流体の運動方程式をナビエ-ストークス方程式と呼ぶ。
2023年05月12日更新
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