天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3300語以上収録。随時追加・更新中!専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

New

光度距離

 

よみ方

こうどきょり

英 語

luminosity distance

説 明

見かけの光度に基づいて遠方天体の距離を表す量。 宇宙膨張や空間の曲率の効果が無視できないほど遠方では光度距離と角径距離という2つの異なる距離を使い分ける必要が出てくる。光度距離 dLは、dL2=L/4πf によって定義される。 ここで、L は絶対光度、f は観測されるフラックス(放射エネルギー流束)である。 天体までの座標距離を r とすると、dL=a0r(1+z) で与えられる。ここで、 z はその天体の赤方偏移a0宇宙のスケール因子の現在の値である。 角径距離 dA との間には、dL=(1+z)2dA の関係がある。
膨張宇宙で遠方の天体までの距離を測る場合、光が届く間にも宇宙は膨張していることに注意が必要である。光度距離と赤方偏移の対応については有用な諸データの表9を参照。
表9 https://astro-dic.net/redshift-age-distance/

2023年09月21日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    * 赤方偏移と距離(左)および時間(右)の関係。右図の宇宙年齢の線は、その赤方偏移の天体が宇宙年齢がどの値のときの姿を見せているかを示している。
    梅村雅之「宇宙進化と赤方偏移」、シリーズ現代の天文学第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』第2版 5.1節図5.2 (右)と図5.3(左)(日本評論社)