粒子間の衝突が無視できる無衝突プラズマ中において、波動のエネルギーが、波動と粒子のエネルギー交換により減衰する効果であり、旧ソ連の物理学者ランダウ（L.D. Landau）によって見出された。波の位相速度 $v_{\mathrm{p}\mathrm{h}}$ とほぼ同じ速度で運動する粒子は、波動の電場と長時間相互作用することでエネルギー交換を行うことができる（ランダウ共鳴）が、$v_{\mathrm{p}\mathrm{h}}$ より速度の遅い粒子は波のエネルギーを獲得して加速され、一方 $v_{\mathrm{p}\mathrm{h}}$ より速度の速い粒子は波にエネルギーを与えて減速する。通常のマクスウェル-ボルツマン分布の速度分布関数では、$v_{\mathrm{p}\mathrm{h}}$ より速度の遅い粒子の数が速度の速い粒子より多く存在するので、プラズマ中の波動は減衰していくことになる。ランダウは、ラングミュア波動に対して線形化されたブラソフ方程式にラプラス-フーリエ変換を用いることでこの過程に物理的意味付けを与えた。