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ジーンズ

 

よみ方

じーんず

英 語

Jeans, James Hopwood

説 明

ジェームズ・ジーンズ(Sir James Hopwood Jeans;1877-1946)はイギリスの物理学者・天文学者。理論天文学において幅広く先駆的な業績を残し、イギリス王立天文学会長、王立協会副会長を歴任している。イギリスのサウスポートに生まれ、トリニティ・カレッジで学んだ。1903年にケンブリッジ大学で修士号を取得、1904-09年はアメリカのプリンストン大学の応用数学教授を務め、1910年にイギリスに戻り、ケンブリッジ大学の教授となり、1935年から王立研究所の教授職を務めた。気体分子運動論、電磁気学、量子論など基礎物理学に基づく天文学的研究がある。気体力学では、ガス塊の安定性の理論であるジーンズ不安定性、放射の理論では、レイリー‐ジーンズの近似式が有名である。回転流体の研究を発展させ、太陽系の成因説において星雲説に反対し、潮汐説を提唱し、連星の成因、星雲の生成と進化について論じた。また、恒星の構造と進化についての先駆的な研究を発表している。1922年に王立天文学会ゴールドメダルを受賞、多数の書を著わすなどの啓蒙活動も行ない、『我らをめぐる宇宙』(The Universe Around Us, Through Space and Time)、『神秘な宇宙』(The Mysterious Universe)、『物理学と哲学』(Physics and Philosophy)などの名著を残している。オルガンの名奏者でもあり、『科学と音楽』(Science and Music)という著作がある。

2024年03月03日更新

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    ジーンズ
    サー・ジェームズ・ジーンズ
    http://en.wikipedia.org/wiki/James_Hopwood_Jeans