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アイリスフォトメータ

 

よみ方

あいりすふぉとめーた

英 語

iris diaphragm photometer

説 明

イラジエーションの効果で天体写真の星像の大きさが大きくなることを利用して写真乾板上の星像の大きさ(と濃度)を測定して星の等級を測定する装置。カメラの絞りのように円形開口の直径を連続的に変えられるアイリス絞りを使うのでこの名前がある。アイリスとは眼球の虹彩(ひとみ)の事である。
原理を図1に示す。光源ランプの光を測定光(右側)と比較光(左側)に分ける。測定光はレンズL1を通りアイリス絞りを一様に照明している。照らされたアイリス絞りの像はレンズL2で縮小されて乾板上に結像する。乾板は載物台に載っていて自由に動かせる。乾板を動かして測定したい星の像をアイリス絞りの中心に置く。チョッパーはアイリス絞りを透過した光と比較光を交互に光電子増倍管に導く。光電子増倍管の出力を参照して自動制御機構が、透過光と比較光が同じなるようにアイリス絞りを動かす。比較光は一定なので、明るい星(星像が大きい)の場合にはアイリス絞りは大きく広がり、暗い星では小さくなる。このアイリス絞りの直径(アイリス値)を星の明るさ(等級)の指標に用いる。中心濃度が飽和濃度(特性曲線を参照)に達しても、明るい星になるほど星像が大きくなるので、測定のダイナミックレンジは比較的広い。同じ乾板に光電測光などで等級が分かっている星(測光標準星)があればアイリス値と等級の校正曲線を作ることができる。

2022年02月15日更新

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    * 図1 アイリスフォトメータの原理図
    出典 岡村定矩「天体写真測光」現代天文学講座11巻『宇宙の観測Ⅰ』(恒星社)1981年
    図2 アイリスフォトメータの校正曲線の例。縦軸がアイリス値の2乗(アイリス絞りの面積に比例)で横軸が星の等級。5.5等あたりでの折れ曲がりが中心部の濃度が飽和したことを示している。
    出典 Schaefer, B. E. 1981, PASP, 93, 253
    * 図3 東京大学木曽観測所で使われていたアイリスフォトメータ(左)と光路図(右)。大型シュミット乾板がたわまないように載物台は水平ではなく傾いている。スクリーンは図の奥側にある。
    出典 木曽観測所40周年記念誌
    http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/OVERVIEW/40th_anniversary.html