巨大衝突説
よみ方
きょだいしょうとつせつ
英 語
giant impact hypothesis
説 明
月の起源の最有力である説。ジャイアントインパクト説ともいう。地球集積の最終段階で、地球に火星サイズの天体が高速で衝突することにより、融けてはぎとられた物質が地球の周囲に高温の円盤を作る。その円盤から冷却した物質が、ロッシュ半径の外側で集積して月が生まれたとする説である。
月全体の密度が小さく鉄の含有量が低いこと、月岩石が揮発性物質に乏しいこと、月の初期の大規模溶融状態であるマグマオーシャンを形成すること、地球と月との酸素同位体組成が同じであることなど、月の起源に関する問題を解決できるモデルである。衝突後の高温円盤から、月よりも小さな天体が月とともに形成される可能性がある。直径1200km程度の天体が分化して地殻を形成したあとに、月に低速度で衝突すれば、月の裏側で地殻が厚いことが説明できる。
巨大衝突による月の形成シミュレーション(国立天文台4D2Uプロジェクト)
https://youtu.be/fqaMs2dSxf0
2018年10月03日更新
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