ガリレオ式望遠鏡
よみ方
がりれおしきぼうえんきょう
英 語
Galilean telescope
説 明
屈折望遠鏡の一種で、対物レンズとして凸レンズを用い、接眼レンズに凹レンズを用いたものを指す。世界で初めての屈折望遠鏡は、この形式を用いて1608年にオランダで製作された。ガリレオ(Galileo Galilei、1564-1642)が製作し天体観測に使用したのが、この形式の望遠鏡であり、そこから一般にこの形式の望遠鏡をガリレオ式と呼んでいる。物体が正立像(上下左右が逆転しない像)として見えるが、視野が望遠鏡の倍率の2乗に反比例して狭くなり、視野周辺で大きな収差がある。したがって、あまり倍率の大きな望遠鏡は実用にならない。そのため、現在では天体望遠鏡としてこの形式が用いられることはない。ただし、光学系全体の長さを短くできる利点があり、オペラグラスなどでは採用されている。天体観測用屈折望遠鏡として実用になっているのは、接眼レンズにも凸レンズを用いたケプラー式望遠鏡である。ガリレオは、1609年に自ら製作したガリレオ式望遠鏡を月に向けて月面の観測を行った。これが記録に残る人類最初の望遠鏡による天体観測であった。
2018年03月15日更新
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