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電子-正孔対

 

よみ方

でんしせいこうつい

英 語

electron-hole pair

説 明

半導体(または絶縁体)において、価電子帯の電子が不足した状態(相対的に正の電荷をもっているように見える)を正孔(hole)というが、光子や荷電粒子により価電子がエネルギーを得ると正孔が生じ、自由電子と正孔の対(電子-正孔対)が作られる。気体の電離には電子-イオン対あたり数10 eVを要するのに対し、半導体の場合、電子-正孔対を1個作るのに要するエネルギーは、シリコンでは3.64 eV ゲルマニウムでは2.96 eVと小さい。そのため、粒子のエネルギー損失当たり作られる電荷の数が電離より桁違いに多く、統計的見地から優れているため、エネルギー分解能の高い検出器を作ることができる。

2019年03月05日更新

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